カバレージ)決勝:Kikuchi Satoru VS Tonozaki Hiroki

長かったラボ杯SUPERも最後の対戦となった。

約10年前にもなる東北の大規模大会、
真・東北杯を制した実力者・菊池悟(岩手)と、
岩手と宮城を転々として過ごし、
TheFinalsへの参加権獲得経験もある戸ノ崎博毅(宮城)の決戦。

菊池のデッキはエスパーコントロール
戸ノ崎のデッキはジャンドコントロール
(参考:トップ8デッキリスト
スーパーマジックプレイヤーの称号と、
優勝商品ラヴニカへの回帰1BOXをかけた勝負が始まる。


  • game1


先攻はスイスドロー順位の高かった菊池が選択。
お互い土地を置きあい、戸ノ崎は《遥か見》で先攻後攻の入れ替え。
最初に場に降りたのは戸ノ崎の《魂の洞窟》からの《高原の狩りの達人》。
これは裏返すまいと菊池は《拘留の宝球》。狼トークンだけが場に残る。
戸ノ崎は《吸血鬼の夜鷲》を追加しながら狼で殴るが、場の打点は少し物足りなさそうに見える。
しかも菊池の手からは《戦慄の感覚》が打たれ、菊池のライフは減らないままだ。
そうこうしている間に《ネファリアの溺墓》や《熟慮》で手札と墓地を肥やす菊池。
それに対して戸ノ崎の前にはいつの間にやら大量の土地が並んでいる。

菊池は自分のターンで《天使への願い》を奇跡、3体の天使が舞い降りた。
一気に窮地に立たされた戸ノ崎、意を決して土地をフルタップの《忌むべき者のかがり火》をX=4。
3マナ浮いていた菊池の手には《雲散霧消》があるのではないかと思われたが、これには菊池、カウンターせず素直に薙ぎ払われる。
ここから菊池は《思考を築く者、ジェイス》をプレイ、FOF能力を起動。《アゾリウスの魔除け》を入手。
返しの戸ノ崎は夜鷲を魔除けで山札トップに置かれつつも、残る狼でジェイスを墓地に落とすことに成功。さらに《情け知らずのガラク》をプレイ、狼を生んでターンを送る。
ラクには菊池、2枚目の宝球で対処。さらに《未練ある魂》をフラッシュバック。
スピリットが狼を阻むかに思われたが、戸ノ崎は《血統の切断》でスピリットをリムーブ、更に菊池を攻める。
さすがにこれ以上の狼2体の攻撃を受けるわけにはいかず、菊池はメインで《終末》を素打ち。
場が綺麗になるが、菊池の手札も残り1枚。お互いに楽な戦いはできていない。
戸ノ崎は先程山札に送られた夜鷲をプレイ、しかし今度は山札から終末が降り、すぐにまた夜鷲が消える。

ここからしばらくはお互いターンの応酬。1戦目にして決勝戦にふさわしい熱戦である。

熟慮をフラッシュバックした菊池はジェイスを引き込み、すぐにFOF。沼、3枚目のジェイス、未練ある魂とめくられ、沼と未練ある魂をさらに入手。
戸ノ崎は《火柱》でジェイスを焼き、今引き込んできた2枚目の狩りの達人をプレイ。
しかし菊池、更に《月の賢者タミヨウ》をプレイ!先ほどジェイスを始末したばかりの戸ノ崎もこれには深い溜息だ。
戸ノ崎はリリアナをプレイして菊池の手札を攻めるも、すでに墓地にあった戦慄の感覚と合わせてタミヨウを保護される。
火柱でタミヨウの忠誠度を減らしたりも試みるが、タミヨウは育つばかり。
更には菊池がまたまたジェイスをプレイ。しかもFOFでめくられたのが未練ある魂2枚とアゾリウス魔除け。ジェイスとタミヨウで守りガッチリ、スピリットで攻める菊池念願の場がようやく出来上がったようだ。

スピリットの攻撃でリリアナの忠誠度が減らされ、スピリットは4体まで増加。
戸ノ崎は窮地に立たされたが、ここで引いてきたのが《オリヴィア・ヴォルダーレン》!
菊池のスピリットは次々と落とされ、守ってくれるスピリットがいなくなったジェイスは狼に落とされる。
少し巻き返した戸ノ崎だが、オリヴィアや狩りの達人はまたも終末で消えてしまう。
場にはタミヨウとリリアナ、さらに菊池の未練ある魂フラッシュバックの2体だ。
スピリットでリリアナをようやく落とし、タミヨウは7まで成長。タミヨウの奥義がそこまでせまっている。
戸ノ崎は3枚目の狩りの達人をプレイ、なんとかタミヨウの忠誠度を減らせそうだ。
菊池は達人をタップしタミヨウを8にするが、ここで呪文をプレイできず、達人が裏返ってしまう。スピリットが落とされ、狼の攻撃と合わせてタミヨウの忠誠が大きく減少。
更に戸ノ崎は《スラーグ牙》を追加。
一気に形勢が逆転してしまった。
苦しい菊池はタミヨウのドロー能力で2ドローして解決策を探る…が、何もせずターンを返す。
ようやく大きく菊池を攻められる戸ノ崎、ここで《ケッシグの狼の地》をトップデッキ!
たくさん並んでいた戸ノ崎の土地だったが、そういえばこのカードがまだ無かった!
ケッシグのパンプアップを受けた狼は魔除けで飛ばされるも、狼となった達人のトランプルが菊池のライフを削りきり、30分の熱戦に終止符を打ったのであった。

戸ノ崎 1-0 菊池



  • game2


菊池の先攻、お互い1マリガンスタート。
ファーストアクションは戸ノ崎の《地下世界の人脈》。
そんなもの放っておけるかと、菊池はすぐさま拘留の宝球でリムーブ。
戸ノ崎は1回戦大活躍の高原の狩りの達人、菊池は2枚目の宝球で対処。また狼だけが残る形である。

しかし戸ノ崎が止まらない。
今度はリリアナをプレイし、狼と共に手札も攻める。
菊池は終末の奇跡で狼を処理するも、
エスパーコントロールという色の性質上、宝球以外ではクリーチャーに頼らないとリリアナに触れない。
更にはオリヴィアやスラーグ牙が場に降りる。
アゾリウス魔除けでごまかしながら生きながらえるも、無情にもリリアナの奥義が菊池の青マナを奪っていく。

もう終末を引くしか無かった菊池だが、引くことができずに、そのまま戸ノ崎のスラーグ牙がケッシグの力を得て優勝の2文字を掴んだのであった。

戸ノ崎 2-0 菊池



試合後、席を離れずにサイドボードを悔やんでいた菊池の姿が印象的だった。
「どうせ勝ちが薄いのならサイドから《聖トラフトの霊》を突っ込んで殴るプランでやればよかったわー」
たしかに、3戦目はまたサイドボードからトラフト対策が入ってくるであろうけれども、2戦目はそのプランも有効だったかもしれない。
すぐに反省して考える姿勢で、来年のSUPERでも菊池には頑張ってもらいたい。



参加者42人、複合戦合計9回戦の頂点に立ったのは戸ノ崎博毅(宮城)!
スーパーマジックプレイヤーおめでとう!